カジュアルスタイルにおける独自ルール

カジュアルスタイルにおける独自ルール


クラシックなスーツスタイルと違い、カジュアルなファッションに厳密なルールは存在しません。ただ、自由が許されるのが魅力である一方で、それがカジュアルを難しくしている原因にも。今回は+CLOTHETスタッフの浅野聖史が、ルーチンにしている独自のこだわりポイントを解説します。
※ 浅野聖史:身長180㎝、体重70kg +CLOTHETのジャストサイズは、トップスは3(L)、ボトムズは2(M)。





Tシャツは、着こなしに応じて素材とサイズを変えます

白Tにスキニーパンツの組み合わせは、夏の定番スタイル。白Tは、裾をパンツの外に出すときは生地に厚みのある「バルドマン」、中に入れるときはしなやかな風合いの「スビンプラチナム」にするといったように、着こなしに応じて素材やサイズを変えています。
上下でメリハリを効かせたシルエットが好きなので、今日の白TはバルドマンのXLをチョイス。ビッグTではなく、レギュラーシルエットをサイズアップしてバランスをとりました。また、スキニージーンズはピタピタに見えないように、ジャストより2インチ大きめのサイズを選んでいます。そうすると腰周りに余裕ができて、自分にはしっくりくるような気がします。写真では見えていませんが、裾を3㎝幅でひと折りして、くるぶし丈にしてはくのも独自のルールです。
Tシャツ「Vardhman Tailored T-shirts Hybrid Cotton」¥7,700(+CLOTHET)ジーンズ私物





黒中心のモノトーンスタイルでは、必ず白を少しだけ効かせます

上下とも黒い服を着るときは、それだけだとフラットで重苦しい印象になってしまうため、少しだけ白を入れて余白をつくるようにしています。
Tシャツは2枚重ねにして、首元と裾から白Tをのぞかせるのが好きなのですが、白の見え方にこだわると、“このTシャツにはこれ”というふうに、だいたい組み合わせが決まってきます。ここではMサイズの「スビンプラチナム マイクロパイル」のビッグTに、私物の白Tを合わせ、足元のVANSのスリッポンスニーカーでもう一度白を繰り返しました。白はところどころに少量ちりばめて使うと、コーディネイトがまとまって見えると思います。VANSのスニーカーは学生時代からよく履いていますが、どんなパンツにも相性がよくスタイリングしやすいので重宝しています。
Tシャツ(黒)「干場義雅監修Micro Pile Big T-shirts」¥10,450、パンツ「TECHWOOL Tropical Easy Trousers」¥18,700(ともに+CLOTHET)Tシャツ(白)、スニーカーともに私物





重ね着するときは、下のTシャツが透けて見えないように注意

カジュアルシャツはTシャツと重ね着することが多いのですが、シャツ越しに下のTシャツが透けて見えるのがイヤなので、なるべく柄入りのタイプを選ぶようにしています。なかでもチェックは、淡い色合いのものでも柄でTシャツのかたちがわかりにくいため、よく着ています。
このチェックシャツは、手つむぎ・手織りでつくられるインドの「カディコットン」を用いた、軽くて丈夫で、柔らかな風合いが心地いい一枚。こういうふんわりとした生地のシャツには、なめらかな質感のTシャツが合うと思い、「スビンプラチナムスムース」のLサイズを選びました。ちなみにジーンズは、古着店で買ったレギュラーのリーバイス501。内側の縫い目をほどいてテーパードシルエットに自分でリメイクしたお気に入りの品です。
Tシャツ「干場義雅監修 Tailored T-shirts」¥7,700(すべて+CLOTHET) シャツ、ジーンズともに私物





きれいめのコーディネイトに、あえて味わいのある古着をプラス

学生時代から古着が好きで、いまもよくコーディネイトのアクセントとして取り入れています。+CLOTHETではオン・オフの着用シーンを限定しない“ドレスカジュアル”に便利なコレクションを展開していますが、そこにあえて古着を合わせてみると、ちょっと新鮮な気分が味わうことができます。
ジャケットのパターンをベースにしたカバーオールとニットTシャツの組み合わせにプラスしたのは、高校生のときに古着で買った米軍のカーゴパンツ。細身のパンツだとすっきりとした印象になりますが、3サイズアップして太さを強調したパンツで、メリハリのあるシルエットにしました。裾は、いつも無造作な感じにロールアップするのがルーチン。足元はグルカサンダルと迷いましたが、白スニーカーでスポーティに仕上げました。
カバーオール「Coverall Jacket SOLOTEX® 2WAY STRECH」¥19,800、シャツ「SUVIN COTTON Knit T-shirts」¥8,800(ともに+CLOTHET) パンツ、スニーカーともに私物





オープンカラーシャツは、白Tとの組み合わせが基本です

オープンカラーシャツを着るときも、やはり白Tとのレイヤードがお約束です。首元と裾に何もないとコーディネイトが間延びしてしまう気がして、白のワンクッションを入れることが自分のなかでのルールになっています。
シャツの裾からTシャツが3cm程度のぞくのが理想ですが、それを突き詰めていくと組み合わせがワンパターンになってしまうのが目下の悩み。また、白が見える面積が大き過ぎると、途端に子どもっぽい印象になってしまうので注意が必要です。ここではオープンカラーシャツはMサイズ、「バルドマン」のTシャツはLサイズを選んで裾丈に差が出るようにしました。
オープンカラーシャツは深みのあるグリーンの色合いでボックスシルエット、生地がウールというところも気に入っています。
Tシャツ「Vardhman Tailored T-shirts Hybrid Cotton」¥7,700(+CLOTHET) シャツ、パンツともに私物





Tシャツをタックインするときは、ドレープがきれいに出ることを計算

Tシャツをパンツにインするときは、繊細でとろけるような柔らかなタッチが持ち味の「スビンプラチナム」をチョイスします。ドレープがきれいに出るように、サイズは大きめのXLというのが定石。反対に、裾を出すときは丈のバランスを考えてMサイズを選びます。
自分としてはスビンプラチナムよりも、ハリのあるしっかりとした質感の「バルドマン」のほうが好きで、普段はTシャツ一枚のときはスビンプラチナム、ジャケットと合わせるときはバルドマンを着ることが多いのですが、今日みたいにエレガントな見え方を意識するときは、光沢のあるスビンプラチナムをインナーにすることもあります。ルールのないカジュアルの世界では、そのときどきで自分がしっくりくる感覚が最大のポイントかもしれません。
ジャケット「TECHWOOL Solaro Safari Jacket SUPER120'sWOOL&SOLOTEX®」¥49,500、セットアップパンツ「TECHWOOL Solaro Side Adjuster Trousers SUPER120's WOOL&SOLOTEX®」¥22,000、Tシャツ「干場義雅監修 Tailored T-shirts」¥7,700(すべて+CLOTHET)



Photos: Tohru Yuasa