スビンプラチナムの新境地:+CLOTHETが日本の技術で実現する、極上の“綿織物”という挑戦

スビンプラチナムコーデュロイ、テーラードジャケットブラウン

​Tシャツ、スウェット、カットソーなど、+CLOTHETの代名詞である最高級コットン「スビンプラチナム」は、これまで素肌でその真価を感じるカットソーやニットウエアの世界で、多くのお客様を魅了してきました。そのとろけるような肌触りと品のある光沢は、一度知れば誰もが虜になること請け合い。ブランドの核となる素材として、確たる地位を築いているのです。

​しかし、+CLOTHETの挑戦とあくなき探求心は、とどまることを知りません。

​「スビンプラチナムのもつポテンシャルを最大限に引き出し、もっと多くの人々へ届けたい」

その想いが結実したのが、この10月に登場する新素材「スビンプラチナムコーデュロイ」です。これはカットソーとニットを主体としてきたブランドの歴史において、新章への突入を意味する大切な一歩。秋冬のジャケットやトラウザーズに適した「織物」という領域で金字塔を打ち立てる、とても野心的なプロジェクトとなりそうです。

​日本のものづくりの底力とスビンプラチナムの可能性が融合したこのプロジェクトは、単なる新商品開発という枠組みに収まらない画期的な取り組み。日本は世界をリードするプロダクトを生み出せる───という心意気を証明する挑戦の物語なのです。​

​​これこそ、世界最高峰。至高の素材と卓抜の技術が融合した「スビンプラチナムコーデュロイ」開発秘話​

「これ以上のものはないと思いますよ。間違いありません」​

​​目の前にある生地を手に取り、コーデュロイの達人ともいうべきプロフェッショナルは静かに、しかし確信に満ちた声でそう断言してくれました。その人の名は原田得男さん。田中織物工場の専務取締役にして、日本一のコーデュロイ産地として知られる静岡県浜松市で長年にわたりものづくりに携わってきた重要人物です。​

​​今回私たちは、ブランドの根幹をなす最高級コットン「スビンプラチナム」を用い、秋冬のジャケットやトラウザーズにふさわしい世界最高峰のコーデュロイ生地を開発するプロジェクトに挑戦しました。その拠点として選んだのは、原田氏をはじめとする熟練した“コーデュロイの達人”たちが、いまなお上質な国産コーデュロイで日本のものづくりを支え続ける浜松という地だったのです。​

​​完成した生地「スビンプラチナムコーデュロイ」は、しっとりと肌に吸い付くようなタッチ、濡れたように輝く深い光沢、そして驚くほどのしなやかさと柔らかさを湛える素晴らしい出来栄え。しかしその誕生までの道のりは、決して“滑らか”なものではありませんでした。​

​​これは、至高の素材と卓抜の技術が出合った、奇跡のような物語。そして、困難な状況が続くといわれる国産コーデュロイの再興へ向けた、静かな抵抗と挑戦の記録でもあります。

​​なぜ、コーデュロイなのか───産地の現状とプロジェクトの意義​

​秋冬ファッションにおける不動の定番素材として、長きにわたり支持され続けてきた「コーデュロイ」。しかし近年ではファッションのシンプル化、高機能素材開発の進歩などに伴い、“トラッド”な製品として、かつてほどの存在感を発揮できないでいるのが現状です。

​​そもそも、コーデュロイとは一体どんな生地なのでしょうか?コーデュロイとは、生地の表面に縦方向の畝(うね)をもつ、パイル織物の一種。独特の光沢感とふっくらとした毛羽立ちが特徴的で、肉厚なことからコットン素材でもそれなりに保温性があり、秋冬カジュアルの鉄板生地として愛されてきました。コットンだけでなくポリエステルやウールなど多彩な素材で仕立てられ、畝の太さや高さなどのバリエーションと相まって、さまざまな表情を演出してくれるのも魅力です。​

​​そんなコーデュロイ生地のほとんど​​は​​、現在中国を中心とした海外製品となってしまっていると、国産コーデュロイを代表する原田さんは嘆きます。​

「この浜松や磐田では、旧くからコーデュロイと別珍(綿ビロード)の生産の拠点でした。機屋も加工場も、相当の数があった。でもいまはもうほとんどなくなってしまって、カッチング屋(生地の畝を作る工程の専門業者)にいたっては、わずか2軒を残すだけとなってしまいました」

​​そんな現状を憂い、一抹の寂しさを表情に浮かべる、原田さん。国内最大のコーデュロイ産地が、衰退してしまった最大の理由。それは、安価な海外製品の流入にあるそうです。​

​​「一番は中国の巨大なメーカーが参入してきたこと。同時に、本当に良い品質の製品を求める層は、欧米の著名テキスタイルメーカーによるブランド品を選びます。安いものは中国でいいし、良いものは欧米がいい、と。それで国内産の需要がどんどん失われていってしまったんです」​

​消費者の意識の変化も、大きな要因のひとつとして挙げられるでしょう。「秋といえば、コーデュロイ」という認識をもった消費者はまだ多く、需要もある。しかし時代性やトレンドの影響もあり、去年に人気だったとしても、今年も同じとは限りません。さらに昨今は、イージーケア性を重視することで、シワが入りやすいコーデュロイを敬遠するという向きも多いのです。

「綿織物なんて、本来はシワになってヨレヨレになっていくのがカッコいいんですよ(笑)。肘あたりにアタリが出てきてなんぼ、みたいな。でも、それを嫌がる世代もやっぱりいますから……。好きな人は、ずっと着てくれている生地だとは思うんですけどね」​

​​安価な大量生産品とブランド力のある高級インポート品との狭間で、高品質だが決して安価ではない国産コーデュロイは大きくシェアを落とし、その存在意義を問われるまでになっていたのです。それほどの逆風のなか、私たちはあえてこの“国産コーデュロイ”に挑むことにしました。その背景にあったのは、「スビンプラチナム」という最高の素材と、日本の優れた生産者がもつ最高の技術力によって、世界最高峰を本気で目指すという決意にほかなりません。​

​​そんな挑戦の果てに、誕生した「スビンプラチナムコーデュロイ」。私たちが欧米のテキスタイルメーカーのそれをも超える世界最高のコーデュロイができたと自負しているのに対し、原田さんも大いに賛同し、冒頭のような言葉を贈ってくれました。​

​​「これ以上のものはないと思いますよ。間違いありません」​

​​常識を覆す「緯糸にスビンプラチナム」という設計が生んだ、究極の風合い​

​​プロジェクトの核となったのは、+CLOTHETが主にカットソー製品を通して魅力を伝え続けてきた、最高級コットン「スビンプラチナム」です。シルクのような光沢とカシミヤのような柔らかさを併せもつこの希少なコットンを、どうすればコーデュロイという織物で最大限に活かせるのか───その答えは、生地の設計にありました。

「コーデュロイは、インチ間の経糸が50本や60本なのに対して、緯糸は180本とか190本も打ち込みます。つまり、生地の大部分は緯糸でできている。目付け(※単位面積あたりの重量)の比率で言えば、緯糸が7割から8割を占める生地なんです。だから、緯糸にスビンを使うことで、その良さを最大限に引き出すことができるんです」

​​もし経糸にまでスビンを使おうとすれば、生産ロットは膨大な量となり、小規模でこだわりのものづくりを目指す+CLOTHETにとって現実的ではありません。また、織物の準備工程では経糸の糊付けなどが非常に重要で、繊細なスビンプラチナムを経糸に使うと、技術的な難易度も格段に上がってしまうのだそう。

「経糸は扱いやすく安定したものを選んでおかないと、緯糸をしっかり打ち込むこともできません。経糸は、そういう視点で相性のいいものを選んでいます」

​​理にかなった設計思想。そして「緯糸がスビン」という事実は、この生地が単なる“スビンプラチナム混”ではなく、“スビンプラチナムの塊”ともいえるほど、贅沢なものであることを示しています。​

そして、この設計思想をさらに特別なものにしているのが、「三子撚り(みこより)」という技術です。

​​「この生地は三子だから、ふっくらとしたボリューム感がありながら強度も​​あります​​。とても繊細で柔らかく、繊維の長いスビンプラチナムを使いながら、三本撚りにすることで強度が保たれているんです」

​​コーデュロイのパイル(畝の毛羽部分)に使われる糸というものは、2本の糸を撚り合わせた双糸(そうし)までが一般的です。しかし、今回は私たちが目指す繊細な風合いとコーデュロイに必要な強度を両立させるため、スビンプラチナムの細い糸を3本撚り合わせるという前代未聞の試みに踏み切ったのです。​

​​「他の生地屋なら、こんな高価な糸をパイル部分に三子で使おうなんて発想にはならないでしょうね。(ビジネスとしては)値段が合いませんから……。『こんな“高級”なコーデュロイ、よくつくったな』というのが、私の正直な感想です(笑)」​

​​コストを度外視した、常識破りのアイデア。しかし、この「三子撚り」という設計こそが、のちに浜松の熟練の職人たちをも悩ませ、同時に彼らの技術の高さを証明することになったのです。​

​​「失敗できない」緊張感と、職人の矜持。海外では不可能な製造工程とは​

​​最高の素材と、前代未聞の設計図。それをカタチにするのは、日本が誇る浜松の熟練した職人たちの技巧です。しかし、スビンプラチナムという素材は、そのエクストリームな品質と引き換えに、生産工程において数々の難題を突きつけてきました。​

「スビンプラチナムは油脂分が多いので、畝をつくるカッチングの工程では刃がすぐに切れなくなってしまうんです。スピードを落としたり、機会を止めて刃を磨き直したり、とても手間と時間が掛かってしまう。何より、緊張感が他の素材とは桁違いでしたね」

​​原料の価格が非常に高価なスビンプラチナムゆえ、「スビンプラチナムコーデュロイ」にはわずかなミスも許されません。​

「今回80反(1反は23m)という量を生産するなかで、もし1反でも失敗してしまったらとんでもない損失です。だから職人たちは、『スビンプラチナムコーデュロイ』に付きっきり。絶対にミスれなかったんですよ」

​​その緊張感が最高潮に達したのが、生地の畝を切り出すカッチング工程だったというわけです。とりわけ今回は、常識破りの「三子撚り」を採用。実は海外のメーカーには、この三子撚りのスビンプラチナムを正確にカットする技術がありません。手間が掛かるうえに生産効率が悪いので、そもそもやろうともしない。海外の大量生産の現場では切り捨てられてしまう、非効率で繊細な作業。それを完璧にこなせる技術が、この浜松には残っていました。それは、長年の経験によって培われた、まさに職人芸ともいうべきものです。​

​​こうして数々の工程を経て織り上げられた生地は、最後の仕上げへと向かいます。それが私たちが特にこだわった、「ニドム」と呼ばれる加工でした。ニドム加工前の生地と加工後の生地の仕上がりを見比べながら、原田氏はその効果を納得の表情で語ってくれました。​

「いいですね。風合い、タッチは抜群にいい。光沢も素晴らしいです。ニドム加工前でも十分によい生地ですが、仕上げ後のものは独特の風合いがさらに増していると思います。『ニドム加工』によって生地の毛の方向性がなくなることで、さまざまな角度に光を乱反射させるような、複雑で深みのある艶を放っている。テカっとした感じではなく、しっとりとした高級感のある艶になるんです」

​​実はこのニドム加工ができる工場は、日本でもごく僅か。しかも浜松には存在しません。そこで究極の風合いを目指す私たちは、浜松で織り上げた生地を、わざわざ新潟の専門工場に持ち込むことにしたのです。​

「正直、生地屋の立場からすれば、コストを考えて(浜松にある)エアタンブラーで十分じゃないか、と思ってしまいます。でも+CLOTHETの皆さんは、妥協しなかった。浜松で生地をつくって、最後の仕上げのためだけに新潟まで送る。そのこだわりこそが、この素晴らしい生地を生んだんだと思います」

浜松の職人たちの技術とプライド、そして私たちの妥協なき探求心が結実。ついに、唯一無二の最高級コーデュロイ「スビンプラチナムコーデュロイ」が完成したのです。​

​「欲しいなら+CLOTHETで買うしかない」、世界が認めた最高品質

​大量生産を狙うなら、こんな合理的ではないやり方は絶対にできない。しかし、だからこそ、他のブランドは真似したくてもできないし、やろうと思わないでしょう。+CLOTHETの理念、規模感だからこそできた、非常に意味のあるプロジェクトだといえるのではないでしょうか。そしてその品質の高さは、思わぬ形で証明されることになりました。

​​それはある日、インドの大手コーデュロイメーカーのプレゼンを受けたときのこと。世界的なファッションブランドとも取引のある巨大企業の担当者が、この「スビンプラチナムコーデュロイ」に興味をもってくれました。そこで実物を見せたところ、「完敗です。これには絶対に勝てない」と言い残して帰っていったそうです。​

​​世界のトップ企業を相手に商売をしているプロフェッショナルが、一目見て脱帽した品質───それは、私たちが目指してきた方向性が正しかったことの何よりの証左だったのです。​

​​欧米では、いまでも「秋冬といえばコーデュロイ」という文化は根強い。そしてジャケットやパンツの定番素材としての、確固たる地位に揺らぎはないようです。日本の市場だけで見ればニッチかもしれませんが、世界に目を向ければ、この生地の価値を正しく理解してくれるマーケットは確実に存在するのです。​

​​インタビューの最後、原田さんは少しの間、生地を撫でながら、穏やかに、しかしはっきりと「スビンプラチナムコーデュロイ」の評価を改めて言葉にしてくれました。​

「これ以上は、ないと思います。現時点において、コーデュロイでは間違いなく世界で一番いいものですね。いいものを作りたいなら、絶対に妥協はしない。そんな+CLOTHETさんの、本気を見た気がします」

​​日本のものづくりの粋を集め、最高の素材と技術を融合することで生まれた奇跡のコーデュロイ。それは、ただ希少で高級なだけではない、その背景にある作り手たちの情熱や物語までも織り込んだ、特別な生地といえるものです。この「スビンプラチナムコーデュロイ」が、誰かの日常を豊かに彩るプロダクトとなる。その日は、もう目前に迫っています。​



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