TOMOYOSHI TAKADA COLLABORATION PROJECT Vol.3 前編

クロスクローゼットとファッションクリエイター高田朋佳氏とのコラボレーションプロジェクトの第三弾が始動しました。

第一弾サファリジャケット&アジャスタブルトラウザー 第二弾スウェットシャツ&スウェットパンツに続き、第三弾は機能素材エアロゲルファブリックを使ったハーフジップ&スウェットパンツのセットアップです。
クラシックから最新トレンドまで幅広く精通された氏がスポーティなイメージの強いアイテムを最新素材を使っていかに料理するか、完成までのストーリーをご紹介致します。

高田朋佳氏
高田 朋佳 Tomoyoshi Takada

- Profile -
1982年 東京都出身
セレクトショップ『BEAMS』のドレス部門でバイヤーとして6年間活躍。
現在はファッションクリエイターとしてシンガポールのセレクトショップ『COLONY CLOTHING』のクリエイティブディレクターや、イタリアの人気トラウザーズブランド『BERWICH』のクリエイティブアドバイザーを務めるなど、ワールドワイドに活躍中。
Instagram のフォロワーは9万人を超え、ファッションインフルエンサーとしても世界中から注目を集めている。

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+CLOTHET:今年1月に発売したSCUBAJERSEYのスウェットシャツ、パンツは非常に好評でした。

高田氏:ありがとうございます。私も周りからたくさんの高評価の声を頂きました。それに続く秋冬向けの商品開発においても、イージーウェア、ワンマイルウェアのカテゴリーで勝負したいと考えました。ただしフリース素材のようにかわいらしくなってしまい過ぎないように、意識しました。その中で今回は非常に面白い素材をピックアップできたと思います。 エアロゲルファブリックの裏面フリースボンディングです。表面は少し光沢の有るシャープな見え方です。

エアロゲルファブリックを確認する高田氏

+CLOTHET:エアロゲルとは空気のような軽さのある素材で、地球上の物質の中で一番熱伝導率が低いと言われています。実際に宇宙服の素材に採用されていたり、建築の断熱材に使われていたりします。そのエアロゲルをファッション向けに商品開発したのが、今回の素材になります。着る断熱材のイメージです。

エアロゲルの個体写真

エアロゲルの個体写真

高田氏:シャープな見え方ながら裏面フリースのためタッチも気持ちよく、かつ保温性など機能も併せ持つこの素材をチョイスさせて頂きました。
ちなみにエアロゲルというのはどこに使われているのですか?

+CLOTHET:エアロゲルの個体は非常に軽く割れやすい性質があり、取り扱いの非常に難しい素材です。粉末状にして生地に固着させる必要があるのですが、それを3Dプリンター機を応用したボンディング機で今回の生地が出来上がりました。表の生地と裏のフリース生地の間に入っています。

エアロゲルを粉上にして生地に固着させる工程

3Dプリンター機

高田氏:すごいこだわりの生地ですね。分厚くて暖かいのはよくあると思うんですが、スポーティでスタイリッシュで暖かいっていうのはなかなか無いですよね。開発が楽しみです。

──── 作成サンプルを見ながら

+CLOTHET:今回は高田さんからのリクエストでハーフジップのサンプルを作成しました。それと脇にアクセントとして使用するパイピングのカラー見本を作りました。黒には同色系のタイプと配色のタイプ ブラウン系です。紺には同系のタイプとブルーグレー系です。

高田氏:結構インパクトが有りますね。意外とこの組み合わせがいいですね。ラグジュアリー系のブランドみたいな高級感のあるイメージですね。

パイピングの配色を確認する高田氏

+CLOTHET:最初は我々も同色系がいいかなと思ったのですが、少しおとなしいかなと。やはり配色にしたほうが雰囲気が良かったです。

高田氏:黒はこれで決定ですね。この配色 非常にかっこいいですね。あとはネイビーですね。黒の組み合わせのインパクトに負けない組み合わせがいいですね。

黒とブラウンの配色を確認する高田氏

+CLOTHET:それではカラーブックから選んで頂きましょうか。

高田氏:難しいですね。どれも良さそうに見えて。色が有りすぎて困りますね。 あ、これだ。これがメチャクチャいいですね。明るめでグリーン味のブルー 。これでお願いします。これだとブラックxブラウンに対抗できる、組み合わせですよね。 すっきりしました。あんまり地味になり過ぎると、トレーニングウェアっぽくなりすぎますね。

カラーブックから色を選ぶ高田氏

──── 作成サンプルを着てみて

高田氏:うわ、気持ちいい。裏側のフリースが非常にソフトでいいですね。今回クルーネックからハーフジップにデザインを変更したのは、中に着るインナーをいろんなアイテムが合わせられるほうがいいかなと考えました。タートルネックなんかを着ても合いそうだなと。人によっては衿の有るシャツなんかを中に着てもいいですしね。着こなしの幅がいろいろ広がりそうです。

サンプル着て確認する高田氏

+CLOTHET:以前のサンプルで首元が少しきついということでしたので、少し余裕を持たせてみました。

高田氏:非常に良くなっていますね。
配色のパイピングは首元まで付けましょう。閉めたときにアクセントになるかなと。
パンツも凄い気持ちいいですね。こんな風にパイピングが入ると、非常にかっこいいですね。シルエットも非常にキレイです。

首元のデザインを確認する高田氏

 

+CLOTHET:ありがとうございます。ご意見を元に、パイピングを取り付けた最終サンプル作成を進めていきます。

エアロゲルファブリックを使用した新型セットアップの完成まであとわずか。

 

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