My T-shirts, My Life
-Tシャツのある日常- vol.9

Tシャツには不思議な魅力があります。シンプル極まりないけれど、Tシャツにかける愛情やこだわりは人それぞれ。連載「Tシャツのある日常」では、さまざまな分野の第一線で活躍する人たちのライフスタイルを通して、Tシャツにまつわるエピソードや仕事への思いを聞いていきます。

ライトアップコーヒー代表・川野優馬氏がクロスクローゼットのスビンプラチナムビッグTシャツを着用

シングルオリジンコーヒーで世界を“照らす”、コーヒー業界の革命児
ライトアップコーヒー代表・川野優馬|No.09

吉祥寺、下北沢、三鷹などの比較的閑静なエリアで、感度の高いコーヒー愛好家のオアシスとなっている人気のシングルオリジン(単一の原産地または農園、精製所の)コーヒー専門店、「LIGHT UP COFFEE」。そのオーナーバリスタであり、現在は株式会社ライトアップコーヒーの経営に注力する川野優馬さんは、元来好きではなかったというコーヒーに魅せられたばかりか自らのライフワークとし、“美味しいコーヒーで世界を明るくする”という想いを胸に、日々奮闘しています。素材を吟味し、その個性とポテンシャルを最大限引き出すことが重要だというシングルオリジンコーヒー。+CLOTHETのものづくりと驚くほど調和するように思えるその世界の魅力や醍醐味、これからの目標などについて、川野さんにお話を伺うべく「LIGHT UP COFFEE三鷹店」を訪ねました。

ライトアップコーヒー代表・川野優馬氏1

かつては嗜好品として大人の男性を中心に親しまれてきたコーヒーが、シアトル系エスプレッソドリンクの人気が世界的な、一過性のブームではないものとして定着し、老若男女を問わず愉しまれるようになっている昨今。いまや誰もが当たり前のように口にするものだからこそ、“違い”を求め品質にこだわる愛好家が注目しているのが、スペシャルティコーヒーです。

スペシャルティコーヒーとは、コーヒー豆自体の品質、味わいや香りにこだわり抜いた最高級コーヒーのこと。そんなスペシャルティコーヒーのなかでも、現在「LIGHT UP COFFEE」で提供されているのは、産地、農園、精製所を絞って仕入れたシングルオリジンコーヒーのみだといいます。

いまでこそコーヒービジネスのど真ん中で活躍する株式会社ライトアップコーヒー代表の川野優馬さんですが、コーヒーとの馴れ初めは決してハッピーなものではありませんでした 。一般的な深煎りコーヒー特有の“苦味”が、どうしても好きになれなかったのだとか。学生時代に大手コーヒーチェーンでのアルバイトを思い立ったのも、同世代が多く働き、友人を作りやすい環境であったことがその最たる理由。しかし、やがて丁寧に淹れたコーヒーを提供する歓びを知り、ラテアートという新たな表現とサービスに没頭し、ついにスペシャルティコーヒーとの運命的な出合いを果たすのです。

ライトアップコーヒーのアイスコーヒー ライトアップコーヒーの店頭

「コーヒーとは苦いもの。僕も最初はそう思い込んでいました。でも大学2年生の時、夏休みの短期留学でロンドンに滞在することになったんです。ヨーロッパのコーヒー文化のなかでもロンドンは最先端を行っていて、ちょうどおしゃれなコーヒーショップがどんどんできていたタイミングでした。ちょっと薄暗い空間で、マッチョでタトゥーもゴリゴリ、ハットにピアスっていうスタイルのクールな男性が、キビキビと動き回りエスプレッソを落としている。お客さんの方もお洒落でシュッとして、気取らずさらりとコーヒーを楽しんでいる……。そんな空気感があまりにカッコよかったので、店をいくつも巡ってみることにしたんです。分かったのは、そういうイケてるコーヒーショップのほとんどが、これまで味わったことのないくらいフルーティーなコーヒーを提供しているということ。コーヒーは苦いだけじゃない、華やかな味と新しい文化があるんだという衝撃を受けて帰国しました」

未知のコーヒー文化を知った衝撃も冷めやらぬなか、東京でもコーヒーショップ巡りを継続していたという川野さん。そこで辿り着いたのが、古くからのコーヒー文化が根付いた北欧ノルウェーから2012年に上陸した、フグレンの国内1号店、「FUGLEN TOKYO」でした。

「それはロンドンで味わったのと同じくらい、本当にフルーティーでベリーのような香りが楽しめるコーヒーでした。チェーン店と『FUGLEN TOKYO』とで、どうしてこんなにも味が違うんだろう。自分もこういうコーヒーを作りたいけれど、どうやったら作れるんだろう───そんな好奇心が一気にあふれてきて、止まらなくなってしまったんです。お店の方に訊いたり、自分なりに調べるなかで、それが原材料からこだわって淹れたスペシャルティコーヒーであることを知りました。

スペシャルティコーヒーに自分が関われるとしたら、まずは焙煎からだと思い、焙煎機を購入。手に入れてからは、すっかり“沼”にハマってしまいましたね(笑)。いつかは自分の店を開きたいと思いつつ、とりあえず自家焙煎のコーヒー豆を販売するところからスタートしたんです。もちろん、シングルオリジンコーヒーです。すべてが手探りでしたが、ラテアートの大会に出たり、コーヒーショップによく出入りしていたので、業界の先輩方にいろいろサポートしていただいたのが大きかったですね」

ライトアップコーヒーの焙煎機を見る川野優馬氏 ライトアップコーヒーのコーヒー ライトアップコーヒーのロゴが描かれたシャッター

川野さんがスペシャルティコーヒーに魅了された理由は、「コーヒー=苦いもの」という固定概念を打ち破る、その芳醇な味と香りに他なりません。かつては“バランス”の良さを求め、独自のブレンドコーヒーも提供していました。しかし豆を厳選し焙煎技術を高めることにより、「個性的でありながら毎日飲みたくなる」理想のバランスをシングルオリジンコーヒーで表現することが可能に。ブレンドコーヒーを売る理由そのものが、なくなってしまったのだとか。

シングルオリジンコーヒー“のみ”にこだわってビジネスを展開する理由は、それだけではありません。それは、美味しいコーヒーを味わう消費者だけではなく、原材料の生産者や取引業者など、すべてのコーヒー関係者を幸せにしたいから。実際そのために、さまざまな施策を行っているのだそうです。

「美味しいコーヒーを追求する過程でスペシャルティコーヒー、そしてシングルオリジンコーヒーという存在を知り、原材料という根本からして安価な大量生産品とは異なること、そしてコーヒーという作物がもっている“社会性”をも知ることができました。

コーヒーの歴史を紐解いてみると、2000年以前は各生産国に農協があって、数百、数千という農家さんは収穫したコーヒーチェリーの実をそこに納入するだけ。農協では買い取った実を全部一緒くたに混ぜてコーヒー豆に加工し、大きいロットで商社にドカンと卸すというのが常識でした。そういう仕組みでは頑張って質の良いものを作っても農家さんにはまったく還元されないし、頑張る意味もないので量を重視せざるをえない。品質なんて上がりようがありませんよね」

ライトアップコーヒーの外観 ライトアップコーヒーの焙煎前のコーヒー豆等と収納した棚

転機が訪れたのは、21世紀を目前とした2000年のころ。世界でコーヒー豆の供給過多によるコーヒー危機というものが発生し、生産者たちによる大規模なボイコットという騒動もあって、コーヒーのSDGsについての真剣な議論が交わされるようになりました。折しもアメリカ周辺から、シングルオリジン、ダイレクトトレード、浅煎り、ハンドドリップが基本のサードウェーブ(第三次コーヒーブーム)が巻き起こり、世界的にコーヒー生産者にメリットのあるビジネスを推進しようという機運が高まったのです。

「生産者さんごとにきちんと品質をチェックし、適正な仕入れを行えば、農家さんはやりがいを感じ、本気で生産に取り組むようになります。そうしてできあがったコーヒー豆には、以前とは比べものにならないくらいの香り高い果実感が出てくるんです。日本には昔から喫茶店文化があるけれど、残念ながらこうした背景は知られていませんでした。コーヒー産業の実情について認知が広まって、生産者が報われてハッピーになることができれば、飲む方もハッピーだし文化としても進歩的じゃないですか。スペシャルティシングルオリジンコーヒーに出合えたこと、生産者の力になれることも自分の運命のように感じられたので、よし、やってやるか、と決意したんです」

こうして誕生した「LIGHT UP COFFEE」は、その名の通りに“美味しいコーヒーで世界を明るくする”というコンセプトで世界中のさまざまなシングルオリジンコーヒーを紹介してきました。のみならず、新種のコーヒードリンクやコーヒースイーツの提案、オンラインコーヒースクールの開設、アジア産コーヒーの品質向上を目指したインドネシアやベトナムの農園との共同開発など、みんなが幸せになれるコーヒー文化の普及と発展を企図したプロジェクトは多岐にわたります。現在では信頼できるスタッフも数多く、各店舗やオンラインショップの運営はもちろん、焙煎という極めて重要な作業も彼らに任せ、自身はこうした経営面に集中できているのだとか。

ライトアップコーヒーのシングルオリジンコーヒーを紹介した冊子 ライトアップコーヒーでコーヒーを淹れるスタッフ ライトアップコーヒーのシングルオリジンコーヒーを紹介したカード

「いまでもたまに、店舗に立ってコーヒーを淹れることはあります。でも自宅やバックオフィスで豆や産地にまつわる動画や冊子などのコンテンツを作成したり、新しいイベント、店舗を作る準備に集中していることがほとんどですね。直近では外国人旅行者も立ち寄りやすい都心部への出店や、高級店とコンビニと、という二極化が進んでしまっているコーヒービジネスに、『適正価格で美味しい』という至極真っ当な選択肢をもたらせないかという取り組みにも、力を入れているんです」

スペシャルティコーヒーは、良質な素材があればこそ。また素材を吟味し、その良さを引き出すことに心を砕く川野さんの真摯な姿勢は、“スペシャルティTシャツ”ともいうべき+CLOTHETのものづくりと重なるように思えてなりません。さらに、鋭意工夫と技術の粋を凝縮すれば、最高の素材の最上を引き出し、みんなにとって最適な価格で提供できるという考え方も、非常に似通っているといえるでしょう。

「+CLOTHETのTシャツも、まず生地がメチャクチャいいですよね。今日は暑いしシンプルに、と思ったので、スビンプラチナムスムース素材の『Big T-shirt』を選びました。インナーにするなら、ジャストフィットの『Tailored T-shirt』も良さそうです。僕はゆったりしたシルエットの服が好みなんですが、特に夏はTシャツ1枚で過ごすことが多いんです。すごくサラサラだから着心地がいいのはもちろん、触っているだけで良い気持ちになれる。デリバリーされた箱を開けた瞬間から、製品の心地よさが溢れ出してくるようで、正直テンション上がりました(笑)」

川野優馬氏がクロスクローゼットのスビンプラチナムビッグTシャツを着用しインタビューを受ける様子 川野優馬氏がクロスクローゼットのスビンプラチナムビッグTシャツを着用しインタビューを受ける様子の足元

細身の割に肩幅が広く、いつもTシャツのサイズ選びに迷ってしまうという川野さんですが、ほどよいリラックス感とジャストな着丈を両立した「Big T-shirt」が、しっくりときたようです。

「身幅がジャストすぎるとちょっと窮屈に見えてしまうので、少し肩が落ちるくらい大きめのサイズ感を選ぶことが多いんですが……。一般的なXLサイズのTシャツだと、こんどは丈が長くなりすぎて困るんです。ちょうどよく裾出しできるくらいの着丈で、身幅にややゆとりのあるこの『Big T-shirt』が、僕にとっての最適なのかもしれませんね。上品な光沢のある生地なので、作業のときではなく人と会うときに着るような、ON向けのTシャツとして活躍してくれそうです」

こんな肌触りの良い上品なTシャツも、生地が厚手でざっくりとしたラフなTシャツも、同じように魅力的だと語る、川野さん。コーヒーについても同様に、それぞれの個性がしっかり際立っているものが好きなのだと教えてくれました。

僕がコーヒーの仕事をやっていて飽きないのも、この多様性があればこそ。たとえ同じ産地、同じ品種、同じ農園のコーヒーであっても、去年の豆と今年のものではまったく違う。全然違う味なんですよ。飲んでも飲んでも、新しい気づきがある───それがコーヒーの面白さなのだと思います」

川野優馬氏が代表取締役を務めるライトアップコーヒーの店頭にて

川野優馬​
株式会社ライトアップコーヒー代表取締役。1990年、東京都生まれ。大学在学中にコーヒーの魅力に取り憑かれ、UCC全国大会ラテアートバトル2012で優勝。その後シングルオリジンコーヒーと出合い、焙煎機を購入して自家焙煎を開始。“美味しいコーヒーで世界を明るくする”をコンセプトに「LIGHT UP COFFEE」を吉祥寺にオープンする。店舗を経営する傍ら株式会社リクルートホールディングスに就職し、UXデザイナーとして1年半勤務した後、株式会社ライトアップコーヒーを設立。その後、下北沢店、三鷹店(焙煎所)をオープンし、現在は経営面に注力している。アジア産コーヒーの品質と地位向上を目指し、バリ島やベトナムでのコーヒー豆生産も行っている。
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Photos: Tohru Yuasa


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