大切な洋服を長持ちさせる洗濯の極意

-ニットウェアを自宅で丸洗いするには-

ニットを洗う様子1

お気に入りの洋服はできるだけ長くきれいに着たいもの。そのためには日ごろの洗濯が大切です。そこで、ガンコな汚れもしっかり落ちると評判の「ウタマロ」シリーズを製造・販売する東邦の商品企画部にご協力いただき、洗い方のコツを教えてもらいました。第2回は、ニットウェアなどのおしゃれ着を自宅で手洗いする方法。シミなどの部分汚れも簡単にきれいに落とすことができます。

>> 第1回「白いTシャツを真っ白のまま着るために」はこちら

●取材協力:東邦 https://www.e-utamaro.com(ウタマロ公式HP)


市販のおしゃれ着用洗剤のほとんどは、型くずれや色褪せ、毛玉などの防止効果があるものの、一般的な洗濯洗剤に比べて洗浄力が弱いのが難点。一方の「ウタマロ石けん」は、弱アルカリ性で蛍光増白剤が配合されているため、白い衣類には効果的ですが、色柄ものに使うと色落ちや変色する可能性があり、デリケートな衣類には使いにくい面がありました。


そうした声に応えるように2012年に誕生した「ウタマロリキッド」は、中性・無けい光のため、生地をよりやさしく洗い上げることが可能。色柄や風合いを守りながらガンコな汚れを落とすので、大切なおしゃれ着に使うことができます。また、部分洗い用液体洗剤としてだけではなく、洗濯機で通常の洗剤としても使えるのもうれしいところです。


ここでは部分洗いのほか、全体を手洗いする方法も紹介していますが、食べこぼしのシミや黄ばみなどの汚れは、前回の白いTシャツと同様に、時間が経つとどんどん落ちにくくなってしまいます。そうならないように、食べこぼしはその場で応急処置をして帰宅後にできるだけ早く洗濯。黄ばみ防止は普段から気になる部分をマメに洗っておくといいでしょう。

ウタマロリキッド

用意するもの

  • ウタマロリキッド
  • タライや洗面器
  • 40℃程度のぬるま湯

洗い方

※洗濯前に必ず衣類の洗濯表示を見て、水洗い可能か確認してください。

① 汚れた部分を濡らす

洗剤をなじみやすくするため、衣類の汚れた部分をぬるま湯につけ、しっかり濡らします。この時点で落とせる汚れは落としておきます。


ニットを洗う様子2

② 【部分洗い】ウタマロリキッドを汚れが付着した部分に直接垂らす

ウタマロリキッドの出しすぎを防ぐために、いったんキャップに移します。その後、汚れが付着した部分に直接垂らします。垂らす分量は、汚れ全体に広がる程度が目安。少量でも広がりやすいので少しずつ垂らしていくといいでしょう。

ポイント

色落ちが心配なものは、原液を目立たないところにつけ、5分後に白い布で押さえてみましょう。布に色がつくものは色落ちする可能性があるので注意が必要です。


ウタマロリキッド2
ニットを洗う様子3

③ やさしくもみ洗いする

ウタマロリキッドを汚れにつけたら、やさしくもみ洗いしていきます。繊細な素材でできたニットウェアは、余計な力を入れずやさしく洗うのが基本。厳密に何回ということはありませんが、部分洗いの場合は汚れの落ち具合を確認しながら行います。

ポイント

もみ洗いは汚れを掻き出すイメージで。こうして洗剤としっかりなじませると、こびりついた汚れがより落としやすくなります。


ニットを洗う様子4
ニットを洗う様子5

④ きれいなぬるま湯ですすいで手で軽く絞る

部分洗いだけであれば、汚れが十分落ちているのを確認してすすぎに移ります。タライのぬるま湯をきれいなものに代えてよくすすいだあと、手で軽く絞って脱水します。


ニットを洗う様子6
ニットを洗う様子7

⑤ 【全体洗い】ぬるま湯に液体洗剤を適量入れる

全体洗いの場合は、ぬるま湯が5リットルに対してウタマロリキッドは5ミリリットルが適量。部分洗いからそのまま移行するときは、④のすすぎは省いても構いません。


ウタマロリキッド3
ウタマロリキッド4

⑥ やさしく押し洗いする

衣類全体をタライの中につけて、上から手で優しく押しながら洗います。液体洗剤が全体になじむように、20〜30回ほど押したり持ち上げたりを繰り返します。

ポイント

通常のケアであれば押し洗いだけで構いませんが、ガンコな汚れがついたときや、衣替え前のしまい洗いでは皮脂汚れなどの黄ばみの原因が残っている恐れがあるので、補足欄にあるつけ置き洗いと併用するのがおすすめ。ただしニットウェアの場合、長時間のつけ置きは伸びたり、風合いを損なう恐れがあるため、様子を見ながら行うこと。


ニットを洗う様子8

⑦ きれいなお湯ですすいで手で軽く絞る

タライのぬるま湯をきれいなものに代えて、よくすすぎます。脱水は手で行いますが、力を入れすぎると衣類を傷めたり、型くずれしてしまうので、やさしい力加減で絞るのがコツです。

ポイント

洗剤が残っていると変色の原因になるため、すすぎは念入りに行いましょう。


ニットを洗う様子9

⑧ かたちを整えて乾かす

最後に、かたちを整えて、衣類の洗濯表示に従って乾かします。ニット製品はハンガー干しをすると、自重で身頃や袖が伸びてしまうため、平干しするのがおすすめです。

※汚れ落ちの程度は、汚れがついてから経過した時間や汚れの種類によって異なります。

【補足】

  • 汚れが落ちにくい場合はウタマロリキッドでもみ洗い後、泡のついた状態のまま40℃程度のぬるま湯の入ったタライや洗面器に30分〜2時間ほどつけ置きするとガンコな汚れも落ちやすくなります。
  • つけ置きをすると、色落ちするケースがあります。色が染み出していないか、ぬるま湯の色の変化に注意してください。
  • 血液汚れの場合は、お湯を使うと血中のタンパク質が凝固して汚れが落ちにくくなるため、水またはぬるま湯で洗濯します。

ウタマロリキッド

ウタマロリキッドは、色柄ものやおしゃれ着についた皮脂汚れの黄ばみや食べこぼしの汚れなどをしっかり落とす中性・無けい光の部分洗い用液体洗剤。おしゃれ着用洗剤の常識を覆す高い洗浄力で、現在もファンを増やし続けています。自然にも手肌にもやさしいアミノ酸系洗浄成分に着目し、その成分をうまく組み合わせることで汚れ落ちのよさも実現。香りは、微香性の爽やかなフローラルハーブの香りです。

Photos: Tohru Yuasa



関連記事



生地のプロが語る、洋服を長く愛用するためのお手入れ 〜白Tシャツ編〜

「ウタマロ」シリーズを製造・販売する東邦の商品企画部にご協力いただき、洗い方のコツを教えてもらいました。第1回は、白いTシャツについてしまった食べこぼし汚れの対処法です。

生地のプロが語る、洋服を長く愛用するためのお手入れ 〜コットンニット編〜

「おすすめの洗濯方法」や「ニットの縮み防止のテクニック」など、コットンニットのお手入れ方法をQ&A方式でご紹介。

生地のプロが語る、洋服を長く愛用するためのお手入れ 〜パンツ編〜

「パンツを洗濯機で洗う際の注意点」や「素材別の洗剤の選び方」「出張の際におすすめのシワになりにくい吊り方」などお手入れ方法をQ&A方式でご紹介。