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定番として磨き上げてきた「テーラードジャケット」が、この春リニューアルします。毎シーズン、少しずつ修整を加えながら大切に育ててきた定番を、型紙から見直すことになった理由とは。+CLOTHETのジャケットを監修するテーラー・吉田泰輔氏は、それを時代の要請だと語ります。
※吉田氏のインタビュー動画を公開中。この記事とあわせてご視聴いただくと、今回のリニューアルに対してより深い理解が得られます。
伝統を重んじるメンズのクラシックスタイルでは、長い間、普遍的であることが美徳のひとつとされてきました。そんなドレスクロージングの世界に身を置きながら、業界の常識にとらわれないしなやかな感性で、時代の変化に真摯に向き合い、変わることを恐れないのが吉田泰輔氏です。
吉田泰輔氏は1984年生まれ。文化服装学院在学中に著名なビスポークテーラーの私塾に通い、その後、大手ファクトリーメーカー2社に在籍。独立後は、国内外の工場の技術指導やメーカーからの型紙作成依頼、テーラーなどのプロを相手にしたセミナーなど多岐に渡って活動しています。ビスポーク、パターンオーダー、高級既製服、大量生産のものづくりまで幅広い分野に対応する貴重な存在です。
「+CLOTHETの定番ジャケットの完成は3〜4年ほど前。それからシーズンごとに採用する素材の特性などに合わせて細部をブラッシュアップしてきましたが、世の中が変化するスピードが想像していた以上に速く、型紙をイチからつくり直すことにしました」
3〜4年前といえば、シャープな印象のスリムシルエットが全盛だったころ。しかしその後、モードの舞台からビッグシルエットの波が押し寄せ、カジュアルだけでなくテーラードジャケットにも徐々に影響が及ぶようになります。今回リニューアルに踏み切ったのは、+CLOTHETが軸足を置くドレスカジュアルの分野でも、そうした傾向に拍車がかかる兆しがあったことが一因でした。
「刷新したところで顕著なのは、以前のモデルに比べてゆとりをもたせた胸周り。バストはSMLなどのサイズを設定する際に最初に決める根幹の部分になるため、ここを変えるのは大きな決断でした。+CLOTHETのジャケットはクラシックスタイルを基本にしているため、数値的にいうとそれほど大きく変わっていませんが、それでも着用した感じはかなり違うと思います」
型紙は1箇所でも変更すると、それに連動して縫製などほかの工程もすべて見直さなければなりません。しかも、その組み合わせは無限大に近く、なかには紳士服の技術としてこれまで正しいとされてきたやり方がまったく通用しないケースもあります。それでも吉田氏は求められた条件のなかで、最適解を探究していくことがジャケットづくりの難しさであり、最大の面白さでもあると語ります。
吉田氏のこうした柔軟性は、いかにして育まれたのでしょうか。そのヒントはビスポークと工場縫製の両方を学び、技術指導者となってからは量販店向けの大量生産の現場まで踏み込んだテーラーとしては稀なキャリアに起因しているようです。
「僕は、ビスポークが必ずしも最良な手段だとは思っていません。購入できる人が限られた層になってしまうだけでなく、着心地のよさや合理性を追求していくと、職人の勘や手業に頼るだけではどうしても限界があります。それよりも僕が重視しているのは、適正と思える価格でいかに着心地のいいものをつくれるか。そのためには、ビスポークも工場も、従来のやり方に固執することなく、常に新しいことに挑み続けることが必要です」
ストレッチ性のある機能素材は天然素材と比べて縫製が難しく、アイロンワークなどを駆使して理想の仕上がりイメージに近づける高級服の世界とは別のアプローチが必要となります。しかし吉田氏は、そうした制約があるからこそ技術革新の道が拓けるといいます。写真は「SOLOTEX TAILORED JACKET」(2月11日販売開始予定)。
2018年の+CLOTHETのデビューに合わせてジャケットの監修を引き受けたのも、ドレスカジュアルという新領域への挑戦に心躍ったため。吉田氏自身、ドレスクロージングを得意としていながら、もともとカジュアル好きだったことも興味を抱いたきっかけでした。最初こそあまり取り扱いのなかった機能素材への対応や、縫製工場の特色を見極めるまで苦慮したものの、普段とは方向性の違う取り組みにもまったく抵抗がなかったといいます。
「これまで国内外の工場で技術指導を行い、さまざまなトライ&エラーを繰り返してきました。そこから得た豊富なデータをもとに、ビスポークや高級既製服の特長を要所に落とし込むことで、+CLOTHETでは手に届きやすい価格でも着心地のいい高品質なジャケットがつくれることを証明したいと思っています。30〜40代がメインターゲットということもあり、僕が普段手がけているものより若々しいイメージを意識していますが、企画スタッフとのやりとりのなかで自分では思いもしなかった気づきが得られるのも面白いところ。今回のリニューアルにもそうした部分が反映されています」
完成したばかりの「SOLOTEX TAILORED JACKET」を試着する吉田氏。+CLOTHTで監修した商品は、必ず自分で着てみて着心地を確認します。この日も、肩がねじれていないか、襟ののぼりは美しいラインを描いているかといった部分を入念に見定めていました。
新しいジャケットでは、胸周りを大きくした一方、スタッフからの要望もあってアームホールは逆にコンパクトにしています。以前のモデルは発売時に、中に長袖シャツを着ることを想定していましたが、ここ数年でTシャツを合わせる着こなしが急速に一般化したため、ジャケットの袖がダブついて見えることを解消するのが狙いでした。
「コロナ禍によって働き方が大きく変わり、数年前と比べると仕事着に対する考え方も激変しています。そして、そういう情報は+CLOTHETのファンの声からキャッチアップすることもしばしば。ラペル幅やゴージ位置などのクラシックな表情、前身頃を外側に逃がすカッティングなどの仕様は以前のモデルを踏襲していますが、着用のしかたが変わると、ジャケットそのものの雰囲気も違ったほうがいいと思い、全体の見え方を少しカジュアルな方向に振っています」
新定番のジャケットは、ウォッシャブル性や防シワ性、ストレッチ性などを兼ね備えた機能素材SOLOTEX®️と、色落ちしないリアクティブデニムの2素材をラインナップ。同じパターンを採用しているように見えますが、リアクティブデニムのほうが生地にハリがある分、大きく膨らんで見えてしまうことから、見た目を揃えるために素材の特性に合わせて型紙を調整し、さらに着心地を近づけるというプロセスを踏んでいます。
デニムジャケットを仕事着にするのは、コロナ禍に突入する以前では考えられませんでしたが、リモートワークなどが普及したいまでは、比較的服装に寛容な職場では選択肢のひとつになっています。写真は「REACTIVE DENIM TAILORED JACKET」(2月下旬販売開始予定)。
このような労力のいる作業は、通常のアパレルメーカーではまずやらないこと。それでも+CLOTHETが果敢に立ち向かうのは、自分たちが着て違和感のあるものは世の中に出したくないというスタッフのこだわりにほかなりません。そして、そんな信念があるがゆえ、発売を予定していても開発が間に合わなければ、翌年に仕切り直しになってしまうケースも多々あります。TECHWOOL®️のウールとSOLOTEX®️を組み合わせたシアサッカー地を用いた「イージージャケット」もそのひとつです。
「シャツ感覚のイージージャケットは、定番のものより軽やかに着られるようにノーベントにして、袖ボタンもひとつだけにするなど、ディテールを簡略化してカジュアルな雰囲気に仕上げています。今回の修整ポイントは定番と同様に、胸周りとアームホールが主な部分。見直しの作業自体は去年終わっていましたが、発売のタイミングに上手く合わず、今年に持ち越しになっていました」
通常はコットンやポリエステルがベースのシアサッカー地を、+CLOTHETではウールを組み合わせたTECHWOOL®️で展開。ウールならではの高級感や吸放湿性を兼ね備えたカジュアル仕様のジャケットなっています。写真は「TECHWOOL®️ SEERSUCKER EASY JACKET」(3月中旬販売開始予定)。
これまでにないファッションの新領域を切り拓き、浸透させようとするには、どうしても手間と時間、そして忍耐力が不可欠です。しかし試行錯誤を繰り返し、一見地味とも思える作業のなかからひらめきが生まれ、ほかとの差異化につながるアイデアに結びつくのは、服づくりにおける醍醐味のひとつ。決まりきった正解がない世界だからこそ、臨機応変なスタンスで、自分たちなりの答えをつくっていく感触は、このうえない喜びと高揚感をもたらします。
正統派と呼ばれるクラシックの世界では異端ともいえるこうした考えも、見方を変えれば停滞しているように見えるメンズファッションの現状を打開する可能性のあるイノベイター。さまざまな現場で経験を積み、蓄積されてきた吉田氏の圧倒的な知見は、いまも+CLOTHETとともに進化しています。
Photos: Tohru Yuasa
吉田泰輔氏はビスポークから大量生産まで幅広いジャンルに対応できる柔軟性を持つジャケットテーラー。+CLOTHETのジャケットには、吉田氏が築き上げてきた思考や技術が詰まっています。
天然素材ウールの魅力を伝えるべく、ウールが元々持っている機能性と新たな可能性、お手入れ方法まで、ジャケットを監修したテーラー・吉田泰輔氏に語っていただきました。
2020年の登場以降、快進撃を続けてきた「イージートラウザー」が、リニューアル。なぜ根強い人気を誇っているパンツに、あえて手を加える必要があったのか。+CLOTHETのパンツを監修するテーラー・五十嵐徹氏のインタビューを公開。
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