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テーラーの家系に生まれ、さまざまなファッションメディアで活躍するファッションディレクターの干場義雅氏を迎えたプロジェクトが始動します。記念すべき第一弾は、氏が並々ならぬこだわりを持つという白シャツ。干場氏の感性と、シャツテーラー・南氏のテーラリング技術、「+CLOTHET」が厳選した生地の化学反応が生み出す、“スペシャルプロダクト”の開発模様をお届けします。
Fashion Director干場 義雅 Yoshimasa Hoshiba
<Profile>1973年、東京で3代続くテーラーの家に生まれる。数々の人気男性誌で編集者として活躍し、『LEON』や『OCEANS』の創刊にも尽力。2010年にファッションディレクターとして独立し、2012年には自身の会社「スタイルクリニック」を設立。新聞・テレビ・雑誌・ラジオなど、メディアの枠を超えて活躍。TOKYO FMのラジオ番組メインパーソナリティや、講談社デジタルメディア『FORZA STYLE』の編集長も務める。
Shirts Tailor南 祐太 Yuta Minami
<Profile>1983年生まれ。華服飾専門学校を卒業後、オーダーシャツの専門工場へ就職。2008年に独立して以来、数多くのブランドのシャツ制作を手がける。2016年に、「MINAMI SHIRTS」ブランドを始動。既製品の販売とパターンオーダーに特化し、工房も併設している千葉・江戸川台店と、ビスポーク専門である東京・日本橋店の2店舗を運営。長年の経験から生み出される、“日本人の体型に合うシャツ”に定評がある。
__こちらが100双糸で仕立てたピンオックス生地。もう一方が120双糸のブロード生地です。どちらの生地にも「+C Care(クロスケア)加工」が施されているので、コーヒーやワインのシミが付きにくいというのも特徴です。
干場:それは良いですね。ビジネスマンはもちろん、ワインが好きなイタリア人も嬉しいですよね。これは、撥水加工のようなものですか?
__多少の撥水性もあるんですが、厳密には違うんです。それとシワになりにくいように、生地の表面に反発感のある樹脂を乗せています。形態安定の加工をするとどうしても生地が硬くなってしまうんですが、「+C Care(クロスケア)」加工では着心地にもこだわっています。
南:最近は、機能素材の方が若い方も含めて人気がありますよね。
干場:そうですよね。そう考えると、もしかすると、ブロードとピンオックスの2種類がある必要はないかもしれないですね。お客様にとって分かりづらいかもしれません。
南:たしかに、この2種類の生地の違いはあまり分からないかもしれないですね。たとえば、もっとゴリっとした質感の生地とサラッとした生地などであれば住み分けもできるのかもしれないですが。
干場:一般のビジネスマンのことを考えると、ブロードの方が良いのではないでしょうか。
南:そうですね。ブロードとピンオックスであれば、ブロードの方が使い勝手は良いですね。
干場:ということであれば、ブロードだけに絞ってしまった方が良いかもしれないですね。あまり差を感じられないと買う時に迷ってしまう方も多いと思うので。ちなみに、この生地にはストレッチは入っていないんですか?
__ストレッチの繊維を混紡しない代わりに、ナチュラルストレッチ加工を施しています。たとえば、化学繊維を用いたものであればストレッチを入れたり、シワや汚れ防止の加工というのも珍しくはないのですが、天然繊維のコットンで原料や番手(打ち込み本数)にもこだわっていて、さらにシワや汚れがつきにくいというのは、なかなかない生地なんです。
南:化学繊維で「ノンアイロン」や「イージーケア」機能のものだと、生地が厚かったり硬かったりするので、ストレッチ性が弱くなりますよね。それに比べてこの生地は、生地本来の風合いも残してありますね。
干場:たしかに、肌触りも気持ちがいいですね!
【VOL02_襟型編】は、こちら
【VOL03_サンプルチェック編】は、こちら
【VOL04_刺繍編】は、こちら
【VOL05_完成編】は、こちら
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